缶詰やプラスチック容器にビスフェノールA(BPA)は使われていますか?

2024/3/13更新

ビスフェノールA(BPA)はプラスチック容器(哺乳瓶、コップ等)に用いられるポリカーボネート樹脂や缶詰めの内面塗装に用いられるエポキシ樹脂の原材料として使用されていますが、食品容器の樹脂中に残留したビスフェノールAが溶け出し、食品に移行し、その食品を摂取することで健康に影響を及ぼす可能性があるとして懸念されています。
その為、ビスフェノールAについては、急性毒性、反復投与毒性、生殖・発生毒性、遺伝毒性、発がん性などの様々な毒性試験が実施されており、 その結果から無毒性量が求められています。
これらの毒性試験における無毒性量を基に種差や個体差などに起因する不確実性も考慮し、 安全側に立って人に対する耐容一日摂取量が「0.05mg/kg体重/日」と設定されました。

※耐容一日摂取量:ヒトがその量を一生涯にわたり、毎日摂取したとしても、健康に対する有害な影響が現れないと判断される、1日当たり体重1kg当たりの量

それに基づき、国の食品衛生法の規格基準において、 ポリカーボネート製器具及び容器・包装からのビスフェノールAの溶出試験規格を「2.5ppm」以下と制限しています。
また、国内で製造される缶詰容器については、ビスフェノールAの溶出量を低減化する自主的な取り組みが関係業界によってなされており、 多くの缶詰容器は濃度が飲料缶で0.005ppm以下、食品缶で0.01ppm以下となっています。

パルシステムでも「容器包装の取り扱い規定 材質別基準」を制定しており、その中で、缶において、「内面塗装については環境ホルモン物質の削減タイプを採用します。内容物(フルーツ缶等)によっては無塗装缶を採用します」としています。

現在、パルシステムの缶詰製品においてもBPAを使用したものも取り扱っています。
しかし、上述の通り、容器からBPAが溶出する可能性は極めて低く、万一、溶出があった場合でも健康に影響することはないと認識しています。

ただし、胎児や乳幼児では、体内に取り込まれたビスフェノールAを無毒化する代謝能力が成人に比べて低いと予想されること、 また、内分泌系及び免疫系の細胞や器官が、胎児や乳幼児では発達途上の為、微量の曝露でも影響が残る可能性があることが指摘されていますので、 妊娠中の方や乳幼児については、偏った食事を避け、毎食缶詰を中心とするような食生活にならない様、 いろいろな食品をバランスよく摂るように心がけることが大切であると考えています。
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